論語 : 述而 第七・十四

冉有曰、夫子為衛君乎。子貢曰、諾。吾将問之。入曰、伯夷叔斉何人也。曰、古之賢人也。曰、怨乎。曰、求仁而得仁。又何怨乎。出曰、夫子不為也。

冉有曰く、夫子は衛の君を為けんか。子貢曰く、諾。吾将にこれを問はん。入りて曰く、伯夷、叔斉は何人ぞや。曰く、古の賢人なり。曰く、怨みたるか。曰く、仁を求めて仁を得たり。又何ぞ怨みん。出でて曰く、夫子は為けじ。

冉有曰く、
「先生は衛の君主を助けるだろうか」
子貢曰く、
「よし。私が今すぐこのことについて質問しよう」
(子貢が孔子の部屋に)入って行って曰く、
「伯夷、叔斉はどういう人物ですか」
(先生)曰く、
「昔の賢人である」
(子貢)曰く、
「後悔したでしょうか」
(先生)曰く、
「(二人とも)仁を求めて仁を得た。また、何を後悔するであろう」
(子貢が)退出して曰く、
「先生は助けないだろう」