百人一首 : 3

柿本人麻呂
現代語訳
春が過ぎて夏が来たらしい。夏に純白の衣を干すという天の香具山なのだから。
作者
持統天皇 (じとうてんのう)
645~702 称制686~689 在位690~697 第41代天皇。天智天皇の第2皇女。天武天皇の皇后。飛鳥浄御原宮で即位し、飛鳥浄御原令の施行や藤原京遷都などを行い律令体制の基礎を構築した。
文法と語句
○ あしびきの ― 「山」にかかる枕詞。万葉集では「あしひきの」で、「ひ」は清音。中世以降に濁音化し「び」となる。
○ 山鳥 ― キジ科の鳥で尾羽が長い。雄と雌が夜になると谷を隔てて別々に寝るとされることから、独り寝を象徴する語として用いられることがある。
○ しだり尾の ― 「しだり(ラ行四段の動詞“しだる”の連用形)+尾」で、「長く垂れ下がった尾」の意味。「の」は、比喩を表す格助詞。初句からこの三句までが序詞で、次の「ながながし」を強調。
○ ながながし夜 ― 「ながながし」は、形容詞の終止形を名詞化することで、「夜」と合わせて複合語となる。終止形を連体形の代わりに用いたとする説もある。
○ ひとりかも寝む ― 「か」と「む」は、係り結び。「か」は、疑問の係助詞。「も」は、強意の係助詞。「む」は、推量の助動詞の連体形。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27 28 29 30
31 32 33 34 35 36 37 38 39 40
41 42 43 44 45 46 47 48 49 50
51 52 53 54 55 56 57 58 59 60
61 62 63 64 65 66 67 68 69 70
71 72 73 74 75 76 77 78 79 80
81 82 83 84 85 86 87 88 89 90
91 92 93 94 95 96 97 98 99 100